働きながら大卒を目指す
通信制・夜間・企業支援
収入を得ながら学ぶ、 低負担のハイブリッドルートです。
「働きながら大卒を目指す」ルートは、 経済的な自立と学びを両立できる、 現実的で力強い選択肢です。
大学へ進学する方法は、 昼間の大学へ毎日通う方法だけではありません。 夜間課程、通信制大学、企業の学習支援などを 組み合わせることで、収入を確保しながら 学士号の取得を目指すことができます。
一方で、仕事が終わってから授業を受けたり、 休日にレポートを作成したりするため、 時間管理、体調管理、学習を継続する力が 強く求められます。
このルートで得られる3つの力
給与を得ながら、 学費と生活費を 自分で支えられます。
正規の大学を卒業すれば、 学士の学位を取得できます。
卒業時点で、 学歴と職業経験の両方を 持てる可能性があります。
働きながら大卒を目指す主なルート
夜間部・夜間主コース
昼は仕事・夜は通学昼間に働き、夕方から夜にかけて 大学へ通う方法です。
- 教員から直接指導を受けやすい
- 同じ境遇の学生と交流しやすい
- 通学課程として生活リズムを作りやすい
- 勤務終了時刻と授業開始時刻の調整が必要
通信制大学
自宅・オンライン中心オンライン授業、教材学習、 レポート提出などを中心に 単位を取得する方法です。
- 時間と場所の自由度が高い
- シフト勤務とも組み合わせやすい
- 通学課程より学費を抑えやすい
- 高い自己管理能力が必要
企業の学費・学習支援
勤務先の福利厚生勤務先が授業料、受講料、 資格取得費用などを補助する 企業独自の制度です。
- 学費負担を軽減できる場合がある
- 業務と学習内容を結びつけやすい
- 教育休暇を利用できる場合がある
- 勤続条件や返還条件に注意が必要
奨学金返還支援
卒業後の返済負担を軽減企業等が、従業員の奨学金返還額の 一部または全部を支援する制度です。
- 卒業後の返済負担を軽減できる
- 支援企業を就職先選びの条件にできる
- 支援額や期間は企業ごとに異なる
- 在学中の学費補助とは別制度
新聞奨学生
仕事・住居・学費支援新聞配達などの業務を行いながら、 給与、住居、学費支援を受けて 学校へ通う方法です。
- 住居費を抑えられる場合がある
- 学費支援を受けられる場合がある
- 早朝勤務と授業の両立が必要
- 契約途中の退職条件を確認する
就職後の学び直し
生活基盤を作ってから進学高校卒業後に一度就職し、 収入と生活基盤を確保してから 大学進学を目指す方法です。
- 進学資金を準備できる
- 学ぶ目的を整理しやすい
- 実務経験を進路選択に生かせる
- 学習習慣を維持する必要がある
自衛隊に関係する進学制度
自衛隊に関係する進学ルートには、 大学で学びながら学資金の貸与を受け、 卒業後に自衛官として勤務する制度などがあります。
自衛隊奨学生
自衛隊奨学生は、対象となる大学・大学院等で 学ぶ学生に学資金を貸与し、 卒業後に幹部候補生として採用された後、 規定に基づく一定期間勤務した場合に 返還が免除される仕組みです。
自衛隊奨学生は、大学等で学ぶ学生を対象とする 採用・学資金制度です。 すでに自衛官として勤務している全員が、 通信制大学や夜間大学の学費支援を 自動的に受けられる制度ではありません。
現職の自衛官が大学で学ぶ場合
現職の自衛官が通信制大学や夜間大学で学ぶ場合は、 非番や休暇の利用、勤務日程、転勤、 当直、訓練、スクーリングの日程などを 個別に調整する必要があります。
- 所属部隊の勤務日程と両立できるか
- 対面授業や試験日に休暇を取得できるか
- 転勤後も学習を継続できるか
- 学費を自己負担するのか、 利用できる制度があるのか
- 取得する学位が将来の職務や 退職後の就職に役立つか
どんな困難が待っているか
極限の時間管理
フルタイム勤務の後に授業を受けたり、 疲れた状態でレポートを書いたりします。 残業や仕事上のトラブルが入ると、 学習計画が崩れることがあります。
体力と睡眠の不足
学習時間を増やすために睡眠を削ると、 仕事中の事故、体調不良、欠勤、 学習意欲の低下につながります。
自己管理の難しさ
特に通信制大学では、 自分で履修計画を立て、 レポート提出、試験、スクーリングを 継続しなければなりません。
孤独感
周囲が休日を楽しんでいる間にも、 学習時間を確保する必要があります。 学習仲間や相談相手がいないと、 継続が難しくなる場合があります。
仕事の変化
異動、転勤、交替勤務、繁忙期、 家庭事情などによって、 入学時の学習計画が通用しなくなる 可能性があります。
各ルートの比較
| ルート | 主な学び方 | 強み | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 夜間課程 | 夕方・夜間に通学 | 対面授業と交流がある | 残業や通学時間との調整 |
| 通信制大学 | 自宅・オンライン中心 | 時間と場所の自由度が高い | 自己管理と学習継続 |
| 企業の学費支援 | 勤務しながら対象教育を受講 | 学費を軽減できる場合がある | 勤続・成績・返還条件 |
| 奨学金返還支援 | 卒業後に企業が返還を支援 | 就職後の返済負担を軽減 | 対象者、支援額、支援期間 |
| 新聞奨学生 | 配達業務と通学 | 給与・住居・学費支援 | 早朝勤務と体力負担 |
| 就職後進学 | 就職してから進学 | 資金と目的を準備できる | 学習習慣の維持 |
メリットとデメリット
メリット
- 自分で学費や生活費を稼げる
- 奨学金の借入額を抑えられる
- 学士号と実務経験を両方得られる
- 時間管理能力が身につく
- 学ぶ目的を仕事と結びつけやすい
- 経済的な自立につながる
デメリット
- 自由時間が大幅に減る
- 睡眠不足や体調不良になりやすい
- 残業で授業や試験に間に合わない
- 仕事と学習の両方が中途半端になる
- 一般的なキャンパス生活は限られる
- 収入減少が学業継続に影響する
卒業率の数字だけで判断しない
通信制大学について、 一つの全国平均の卒業率だけを見て、 「卒業しやすい」「卒業できない」と 判断することは適切ではありません。
卒業状況は、大学、学部、入学区分、 編入学か新入学か、在籍目的、 標準修業年数内かどうかなどによって変わります。
- 正規課程の卒業実績
- 標準修業年数内の卒業状況
- 退学・除籍となる主な理由
- レポート指導や質問対応の体制
- 学習相談、担任、メンター制度
- 在学できる最長期間
入学前に確認する12項目
- 卒業時に取得できる学位は何か
- 卒業までに必要な単位数はいくつか
- 対面授業は何日必要か
- スクーリング会場はどこか
- 試験はオンラインか会場受験か
- 実習や資格課程は追加料金が必要か
- 入学金を含む初年度費用はいくらか
- 卒業までの総費用はいくらか
- 仕事の繁忙期に履修を減らせるか
- 休学制度と休学中の費用はいくらか
- 長期履修制度を利用できるか
- 学習相談を受けられるか
企業支援で確認する契約条件
学費支援を受けた後、 一定期間内に退職すると、 支援金の全部または一部の返還を 求められる場合があります。
- 支援される金額と期間
- 対象となる大学・学部・資格
- 成績や単位取得の条件
- 勤続しなければならない期間
- 退職・休職した場合の返還条件
- 学費以外の費用も対象になるか
- 勤務時間への配慮があるか
- 制度内容を書面で確認できるか
自分に合うルートの判断方法
通学できる場合は夜間課程、 難しい場合は通信制大学を 優先して比較します。
自己管理に不安がある場合は、 対面授業、担任、学習相談などが 充実した大学を選びます。
人事担当者、就業規則、福利厚生資料で、 学費補助、教育休暇、資格支援、 奨学金返還支援を確認します。
転職、昇進、資格取得、教員免許、 専門知識など、卒業後の目的から 学部と大学を選びます。
理想ではなく、残業、通勤、食事、 睡眠を差し引いた現実の時間で 履修科目数を決めます。
平日の時間配分例
次の例は一つの目安です。 勤務形態、通勤時間、家庭状況によって 実行可能な予定は変わります。
睡眠不足を前提にした計画は、 長期間継続できません。 学習時間が不足する場合は、 履修科目を減らし、 卒業までの期間を延ばす選択も必要です。
保護者が確認したいこと
経済支援だけでなく継続条件を見る
- 本人が週に何時間働くのか
- 残業や交替勤務があるのか
- 学習場所を確保できるのか
- 睡眠時間を確保できるのか
- 病気や失業時の予備資金があるのか
- 卒業まで家族がどこまで支援するのか
- 途中で計画を変更する基準があるのか
働きながら学ぶ本人に対して、 「自分で選んだのだから最後まで一人でやれ」 と突き放すだけでは、孤立を深めることがあります。
学費を全額負担できない場合でも、 食事、住居、相談、緊急時の支援など、 家族が担える役割を事前に話し合うことが重要です。
公的・公式情報の確認先
JASSO:
企業等の奨学金返還支援
企業等が従業員の奨学金返還額を
直接支援する制度や、
制度導入企業を確認できます。
防衛省・自衛隊:
自衛隊奨学生
応募資格、対象分野、学資金、
採用後の勤務条件などを
最新の募集要項で確認できます。
文部科学省:
大学通信教育
通信制大学の制度や調査資料は、
文部科学省の公式資料を確認してください。